思い出のお菓子たち ②OTTLENGHIのプラムのケーキ

今週は、店が休みなので、私の思い出のお菓子を1つ紹介します。
10年程前、店を開店するにあたり、1カ月ほど、ロンドン・パリ・ミュンヘンでお菓子の食べ歩き旅をしたことがあります。行きたい店をリストアップして、あちこち食べ歩きましたが、オトレンギ(OTTLENGHI)もその1つでした。

OTTLENGHIはロンドンに数店舗ある店で、惣菜やケーキのディスプレイが大変美しく、印象的な店です。私が行ったのは、ノッティングヒル店で、テイクアウェイ(イギリスではTake outではなく、Take awayと言います)もできるし、店の奥に半地下のカフェがあり、大きなテーブルを囲むように10人程度が座れるようになっていました。
始めて訪れた時、その迫力に興奮し、こころ躍った店の1つです。

イスラエル出身の方が始めた店という事で、ヨーグルトやザクロが入ったソースを、焼きブロッコリーや焼きナスに合わせたり、惣菜は少し中東を思わせるメニューもありました。

中でも印象的たっだのは、プラムのケーキです。
まず、ショッキングピンクのガラスプレートで提供された事もびっくりですが、大きくなプラムが隙間なく並べられていて、本当に美しい。下のケーキ生地はずっしり重くて甘いけれど、プラムが酸っぱくてジューシーでメリハリがあって、大好きな味でした。
何よりも1ピースが、とても大きい。食事の後にこのサイズは、若い時でも結構厳しかったのを覚えています。
外国のお菓子は「この半分の大きさ・半分の値段で売ってくれたら丁度いいのに」と思うこともしばしばです。旅行で来たからには色々なお菓子を食べたいので、味見しては食べきれないお菓子を、リュックサックに詰めて方々の店を歩き回り、夕方には、ずっしり重くなったリュックを引きずって、宿に帰っていた事を思い出しました。
残ったお菓子を、朝食や夕食にあてて、まるで甘いもの地獄で修行している気分だった事も懐かしいです。
今から考えると無茶苦茶な旅でしたが、今の自分の支えになっていると感じています。

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